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Pruna AIが「P-H3-Image」を公開、MiniMax H3派生の画像モデルがVRAM 21GBで動作可能に

Pruna AIは、動画生成モデル「MiniMax H3」から派生したオープンウェイトの画像生成・編集モデル「P-H3-Image」を公開した。ステップ数は50から8へと削減され、4bit版の容量は20GBにとどまる。ただし、MiniMaxから引き継いだライセンスにより、欧州連合(EU)、英国、韓国、米国は利用対象から除外されている。

重厚なフィルムリールが光るプレス機で圧縮され、極めて鮮明な一枚の写真ガラス板へと変化する様子。
AI生成イラスト

モデル圧縮を専門とするPruna AIは、2026年11月3日、オープンウェイトの画像生成・編集モデルP-H3-Imageを公開した。最大の特徴は、ゼロから学習されたのではなく、今夏にオープン化された動画モデルMiniMax H3から派生している点である。公表された性能によれば、生成は従来の50ステップから8ステップに短縮され、4bit版は約21GBのVRAMで動作する。しかし、MiniMaxから引き継がれたライセンスにより、欧州や米国は対象外となっている。

なぜ動画モデルから出発するのか

Prunaの主張は明快だ。フレーム間で一貫性を保つため、動画モデルは物体が多様な角度からどのように見えるか、光が素材にどう当たるか、人体がどう動くかを学習する必要がある。これは画像モデルにとって優れた基盤となる。MiniMax H3自体も静止画を出力可能ではあるが、結果は不鮮明であり、大半のユーザーにとっては重すぎ、かつ遅すぎた。

Prunaは各構成要素を再構築したとしている。

  • プロンプト:H3は言い回しに非常に敏感なため、Qwen3.5-9Bベースの小型モデルが1行の指示を詳細なプロンプトに書き換える(デフォルトで有効)。
  • テキストエンコーダ:蒸留によりパラメータ数を320億から40億へ削減(67GBから9GBへ軽量化)。
  • 拡散プロセス:微細なディテールに適したスケジューラを導入し、蒸留によってCFGガイダンスなしで50ステップから8ステップへ短縮。
  • デコーダ:複数フレームのデコードを前提としてぼやけた画像を出力しがちだったH3のデコーダに代わり、単一フレームから鮮明な画像を生成する新デコーダを採用。

また、H3の動画学習の恩恵を受け、同モデルは画像編集や、同一シーン内に複数の参照画像を合成する処理にも対応している。

動作に必要な環境

今回のリリースの最大の注目点は動作要件にある。bf16精度の完全なdiffusersパイプラインは、8メガピクセル生成時に約101GBのGPUメモリ(H200またはB200相当)を要求する。一方で、ComfyUI向けファイルは3つの精度で提供されている。bf16(55GB、VRAM約56GB)、8bit(30GB)、そして4bit(20GB、VRAM約21GB)だ。現時点では開発版を介してではあるが、カスタムノードなしでComfyUIがネイティブ対応している。Prunaは、4bit版は「品質を維持する」としつつも、細部や構図が変化する場合があると注意を促している。

性能に関する数値はすべてPrunaの公表値に基づく。B200上で4メガピクセル画像を生成する時間は、H3の12.4秒に対し2.6秒、48GBのL40S上では4bit版で6.3秒とされている。開発元は限界も認めている。特に8メガピクセル未満では手や背景の小さな人物が歪むことがあり、小さく密集した文字の再現性も低い(引用符で囲まれた短いテキストのみ良好に機能する)。なお、同社の資料間では記載に齟齬も見られ、ブログ記事では2〜16メガピクセルおよび入力画像最大9枚とされているのに対し、Hugging Faceのモデルカードでは8メガピクセルかつ最大8枚と記載されている。

欧州と米国を除外するライセンス

重みはオープンソースライセンスでは提供されていない。MiniMax H3から派生したPika H3 Flexと同様に、MiniMax H3 Community Licenseの管理下に置かれている。Prunaのモデルカードによれば、同ライセンスはMiniMaxから個別に許諾を得ない限り、欧州連合(EU)、英国、大韓民国、米国での利用を除外しており、利用するプロダクトには「Powered by MiniMax H3」の表示を義務付けている。テキストエンコーダ(Qwen3-VL-4Bに由来する部分)とプロンプト書き換え機能のみがApache 2.0、ComfyUIノードはMITライセンスとなっている。

編集部の見方

技術的観点から見れば、P-H3-Imageは圧縮と蒸留の可能性を説得力ある形で示した好例だ。143GBの動画モデルを、オリジナルに近い品質を謳いながらハイエンドGPUで実用可能な画像生成モデルへと再編してみせた。比較データがPruna自身の公表値であるため実機での検証は不可欠だが、クリエイターにとってローカル環境での写実的な写真や映画調の画像生成における有力な選択肢となる。一方で、欧州の読者にとってはライセンスの問題が最優先の関心事となる。今朝のBaiduによるERNIE 5.5 Flash Baseと同様に、「オープンウェイト」でありながらEUを明示的に除外する規約が課されている。ダウンロード可能なモデルであっても、いかなる場所でも自由に使えるわけではないという現実を浮き彫りにしている。

出典

  1. Pruna AI — P-H3-Image: Turning a SOTA Video Model into an Efficient Open Image Model (2026年11月3日) 一次情報
  2. Pruna AI — P-H3-Image モデルカード (Hugging Face) 一次情報
  3. Pruna AI — P-H3-Image-Comfy ComfyUIファイル (Hugging Face) 一次情報

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